『精神障害をもつ人のための親なき後に備える』読了

精神科に通院しているような人なら、だいたい聞いたことがあるんじゃないかと思う、地域精神保健福祉機構、通称コンボ、という所が出している書籍で、凄く気になるものがあったので、買ってみた。その名も『精神障害をもつ人のための親なき後に備える』。
1200円もするんだけど、とても薄くて、正直「ぼったくられた?」と思ってしまった。内容も、ほとんどは精神障害当事者の体験談の寄せ集めで、これくらいの内容なら、Webで無料公開で十分じゃない?と思ったり……。

でもまぁ、現実問題、支援センターでも「親が死んだらどうする?」なんて話は軽々に出来ないわけで、体験談でも読めることには、それなりの価値があるかな。
この本を読んで漠然と感じたのは、親が亡くなっても、意外とどうにかなるんじゃないか、ということ。特にうちは弟がいて、経済系の学部を卒業しているので、お金や行政の手続きに関しては、弟がやってくれるんじゃないかと思っている。墓守も「俺がやる」と言っているし。
あとは、近所づきあいとか、ゴミ出しとか、そういった生活面の話だね。身体や知的は、見てすぐ分かるから、周囲も手助けしやすいけど、精神は見ただけでは分からないし、偏見もあるから、近所に住んでいるってだけで障害をカミングアウトするのは、かなり難しい。
私が今考えている「出来なさそうな家事」は、ゴミ捨て。うちの地域では、カラスが大量発生して生ゴミにたかる、という理由で、前日夜からのゴミ出しは禁止で、当日は朝8時までに出さなくてはいけない。これが、起きれなくて出来ない可能性が高い。ゴミ捨て場が歩いて2分くらい行った所なので、メイクして行きたい。ゴミ出しの日の朝であれば、近所の人に遭遇する確率も高いわけで。ノーメイクは厳しいだろう。そうすると、朝早く起きなきゃいけない。それが難しいのだ。
食事については、なんとかなるかな、と思っている。昔一人暮らししていた頃も、なんとかなっていたし。ただ、栄養面の偏りは、免れないと思う。そこは不安。

お金については、障害者枠での就労はほぼ不可能だろうから、最終的には生活保護になるだろうね。そこがかなり不安。今まで贅沢に暮らしてきたから、生活保護費だけで赤字にならずに暮らせるのか、といった不安がかなり大きい。今の生活をそのまま当てはめたら、確実に赤字になる。
気楽に連絡を取り合える友人がいないことも、不安材料の1つかな。「喋りたいなら支援センターに来て喋ればいいじゃん」を実践していたら、支援センター外で連絡を取り合う友人が出来なかった(´・ω・`) ただまぁこれは良し悪しがあって、支援センターの職員も言っていたけど、病状が悪化した時に、しつこく電話やメールを繰り返したりする人もいるから、連絡先(電話番号、メールアドレス等)の交換は慎重にしたほうがいい、ってことなんだよねぇ。それは分かってる。
こっちはお友達になりたいと思っていても、相手が、「erikoさんは年上だから」ってことで、敬語を使われたりして、全然距離が縮まらないことも多い。

親を亡くす寂しさ、という点については、父親はどうでもいいけど、母親はかなりショックを受けそうだ。ほとんど共依存だから。今も、普段は母と話すことが最も多い。あまり頼らないようにしよう、と思ってはいるんだが、いると、つい甘えちゃうんだよなぁ。ほんと母が死んだらどうなるんだろう、私。
「お金より人を遺す」という章があって、個人的には、福祉関係の人とは関わってもいいけど、近所の人や親の友人知人は、あまり関わりたくないと思った。上述したが、福祉関係者以外の人に、精神障害を知られたくないからだ。

最後に「家族で親なき後のことを話し合うためのヒント」という章があり、話し合っておきたいことのチェック型リストがずらりと並んでいて、これは役に立ちそうだな、と思った。と同時に、行政書士や弁護士などにも、今からコンタクトを取っていたほうがいいのかな、と思った。