ハートネットTV 変わり始めた精神医療2▽治療の最前線 オープンダイアローグ

録画していた『ハートネットTV 変わり始めた精神医療2▽治療の最前線 オープンダイアローグ』を見た。

予想していた通り、斎藤環さんが登場された。この人、第一人者と言っても良いのでは? 凄いよね。
オープンダイアローグって、簡単な言い方をすれば「薬や入院に頼らない、対話主体で治療する」的なことと言っていたけど、今の主治医の治療は、わりと「対話重視、会話重視」な感じがする。
医師と患者の関係も、限りなく対等に近づいている、という話だった。うちの主治医も「本当に医者なの?」と思うくらいにフランクで、「患者と同じ目線で話してくれる」感を凄く強く感じる。
なので、主治医はこのオープンダイアローグを実践しようとしているのかな?なんて思っていたんだが、番組中に「リフレクティング」という、医療の専門職が一同に会して、患者の目の前で治療的な話をするシーンが出てきて、「あ、これは違う」と思った。

番組では、統合失調症型障害の患者が出ていて、母親と一緒に治療に来るんだけど、話しているうちに喧嘩になってしまう、と言っていた。うちと一緒だ……。
でも、そこには「安心して喧嘩できる」信頼性に基づいているのではないか、という専門職の意見が出て、自分でも薄々気が付いてはいるんだけど、「そうかもな」と思わされた。喧嘩にも「質」がある、という考え方だ。
憎しみあって喧嘩する場合もあるだろうが、甘えから来る喧嘩もある。私は母親に対しては、甘えからくる喧嘩だと思っている。どれだけ私が暴言を吐いても、母は私の母でいることを辞めないだろう、という甘え。

ところで、引き続き見ていると、医師が個人的な、プライベートな話をして、患者と一緒に考えていく、という治療スタイルがあって、それもやっぱり私の主治医と被ってるんだよな~と思う。主治医はちょいちょい家族の話や、自分の学生時代の話など、本当に個人的な話をすることがある。表情なんかも豊かで、私が変なことを言ったら爆笑してくれるし、嫌がられるだろうなって話をすると、苦い顔をしている。さすがにそれは、素直に感情を顔に出し過ぎ!と思ったけど。
ただ、今迄のメンクリ経験でいったら、そういう医者は皆無だったので、やはり主治医は何か狙ってそういう診察スタイルをやってるんじゃないかなーと思う。うがちすぎかな。

斎藤環さんが「従来の医療というのは、薬物治療が進歩すれば、うつ病も統合失調症も治る」という目標があったが、それがどうも実現できないような状況なのと、「精神病の患者は問題行動を起こす」というスティグマを、精神科医ですら結構持っている、という話をされていて、「結果的に入院中心主義」になる、とまとめていたのが印象的だった。要は、いまだに日本の精神医療は「管理型」なのだ。

上述の患者は、オープンダイアローグを受けた結果、自動車教習所に行き始めたという。斎藤環さん曰く、こういった変化は薬物治療だけでは出てこない、薬を飲んだからといって何かしたい気持ちになったりはしない、とのことだった。
私は軽躁の症状もあるので、軽躁期になると、何か新しい事を勝手にし始めたりしちゃうんだけど、純粋な統合失調症患者で陰性症状の強い人は、薬物治療だけでは本当にやる気が出ないだろうなぁと思う。双極性障害でも、うつの強い人はやはり同じようにやる気がでないみたいだし。

そしてこれは、自分としてはかなり重要な概念なんだけど、「モノローグ」という概念があって、1人で自問自答したり、堂々巡りに陥っていることがある、その状態を言うのだそうだ。「ダイアローグ」と対義語かな? この状態を放っておくと、どんどん妄想的になったり、こじれていきやすい過程らしい。
なんかこれは分かるなーって気がする。1人でいるとホント良くないんだよね。ここ数か月、うつが酷くて殆ど家に居て、話す人もろくにいなかったんだけど、それで社会性が著しく落ちた、という実感がすごくあって、それは新しい作業所(3)の責任者にも話した。だから、週1日でもどこか通うところが欲しい、と思っている。

終盤、統合失調症の重めの方が出てきて、「(みんなが)困っていることが、(自分も)困っている」みたいなことを言っていて、あぁどんだけ精神病に侵されても自分のことは分かってるし、相手のことも分かってるんだな、と思った。
もちろん、本当に心神喪失状態に陥る時もあるだろうけど、きちんと治療していたら、ある程度の正気(という表現が適切かどうか分からないが)は保っていられるような気がする。

最後にまた斎藤環さんが登場し、周囲の人がいないと「モノローグ」的になっていく、悪循環だ、という話をされていた。
それが、上述のように近所の人も含めた「ダイアローグ」で、近所の人も心配していることが分かって、思い込みや妄想的なものを緩和する効果が高いようなことを言ってらした。

日本の精神医療では「ケースワーク」が足りていない、という話もあった。医者が出す薬が変えられるのは脳の状態だけ、カウンセリングで変えられるのは心理状態だけ。ケースワークは「環境調整」で、その人の生活環境に介入することを指す、と。そうすると、関係が良くなるだけで症状が消えることも起こりうる。

斎藤環さんの話は若干専門家向け(医療者向け)なので、少し飛ばしてしまったけど、非常に考えさせる番組だったし、心にしみた。

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