バリバラ「どうなってるの?日本の精神医療~虐待の現場から~」

今回のバリバラは、神戸の大規模な精神科病院である「神出病院」で起きた、看護師らによる患者への虐待問題だった。

この手の話が出る時、いつも思うんだが、「障害者相手だとどうせバレないから良い」とか「上司も先輩も虐待していたからやってもいい」って、そういう問題じゃないだろうということ。人権意識が完全に欠落している。医療従事者、特に精神科での従事者として、それはどうなのか? いや、人としてどうなのか?
精神科は一般の診療科よりも医師・看護師が少なくても良い、としている法律も、問題があると思う。むしろ精神科のほうが人手がかかるのではないかと思うのだが。

18年も入院していた方が出ていたが、色々と納得してしまった。
人間って日常的に暴力や暴言を浴び続けると、抵抗することを諦めるんだよね。この人もまさしくそうで、最初は退院して社会復帰したいと思っていたけど、徐々に諦めて、死ぬまで病院にいさせてくれ、と言うようにまでなってしまった。こんなに悲しいことは無い。
ところが退院してグルホに移り、更に地域に出て独り暮らしするようになると、結構高齢なのに作業所で働くようになった。本当に驚いた。やっぱりいくつになっても、週1日でも仕事をする、社会と接点を持つことって大事だなぁと痛感させられた。

玉木さんが「虐待という言葉が嫌い。本当は犯罪だから」と言ったのが、本当に刺さった。普段この人嫌いなんだけど、このセリフには心から同意した。

吉田さんが「社会復帰」と言った時点で「精神病院は社会の中に無い」と言われたのが、非常に重い言葉だなと感じた。
自分もメンクリに通院しながら「社会復帰」を目指しているが、それは現状私が「社会の中」に居ないから、そういう発想が出てくるのだと痛感させられた。今は社会の「外」に居て、社会の「中」に入りたい、という考え方だ。
また、今後の話をするにも早いくらい、何も解決していないのが、精神科病院の問題、精神障害者の問題、ということだということを吉田さんが言っていて、これにも大いに納得させられた。

私は今まで精神病院への入院経験が無いので、他人から聞いた話しか知らないのだが、地元にも患者に対して暴行をしていたという病院があったという話だし、わりと他人事では無いなぁという自覚は持っている。
その他人事が自分事にならないと良いなぁ。