ALS患者を安楽死させた医師が逮捕された

ALS患者を安楽死させた医師2名が逮捕された。バルビツール酸系睡眠薬を大量処方して死に至らしめたという報道を見た。バルビツール酸系睡眠薬といえば、使用量を一歩間違うと死んでしまう、かなり危険な薬物だ。普通の精神科ではそうそう簡単に処方されるものではないと思う。

この医師のうちの1人、大久保容疑者のTwitterアカウントがあるんだけど、これ、昔フォローしていた……。多分、精神疾患クラスタや精神科医クラスタのほとんどが、フォローはしないまでも見た事くらいはあるんじゃないかと思う。
数多いる精神科医Twitterの中でも、この人は異彩を放っていた。いくつなのか知らなかったけど、医師免許を取って結構経っているだろうに、学歴コンプレックスをこじらせたようなツイートも多かったし、行政のことについて妙に詳しかったり、臨床をやっていないような感じだったり。
普通の精神科医なら、今受け持っている患者がどうだとか、精神科医療の在り方だとか、学習ネタだとか、そういう感じのことを呟いているのに、大久保容疑者だけは、ネチネチと暗い話題や恨み節が多く、この人自身が病んでるよ、と思った。
それで、数年前にリムったのだった。

私は今ちょっと鬱気味で落ちているんだけど、闇医者に頼んで殺してもらうようなことは、もう考えていない。それを前提で書くが、昔(といっても数年前?)本気で死にたいと思っていた頃は、お金数百万を払ってでもいいから殺してほしかった。
それを実際ににやった人が現れて、本当にビックリした。この日本で、闇医者みたいなのが居るんだ、ってことに驚いた。それもTwitter経由とはいえ知っていた人だったとは。

そして、この事件を機に、世の中には恐ろしいことを考える人がいることを知った。「不治の病や難病、カネのかかる病気の人に、安楽死を勧める」というものだ。自分の意思ではなく、他人に安楽死を勧めるのだ。ほとんど自殺の強要だろう。
さすがにそれはもう安楽死ではなく殺人だと思うけど、日本の同調圧力の強さや、「他人に迷惑をかけてはいけない」という価値観の強さを考えると、そういう「安楽死の勧め」みたいなものが行われてもおかしくないと思った。

やはり、安楽死は安楽死する人本人の意思で行われなくてはならない。しかし、それを証明するのがとても難しい、ということも、今回の事件で分かった。
たしか、以前書いた記事で、海外の安楽死施設へ行った人は、自分の手で薬物を点滴に注入していた気がする。これなら、多少なりとも「自分の意思」を感じる。

とはいえやはり問題課題の多い事案だな、とは思う。日本の国会議員に、安楽死についての適切な法律を作る能力があるとは到底思えないから、日本ではまだ時期尚早な気がする。