もう母親と話したくない

夕方、母と話していて、また言い争いになった。いつもこうだ。もう母と話したくない。

発端は、母が弟の昔話をしはじめたことだった。「あの子、こんなことしてたわね」「あんなことしてたわね」「あの頃はこんなに可愛かったのに」「なんで(今)あんなんなっちゃったのかしらね」みたいな。今の弟の横暴ぶりを嘆きつつ、過去を振り返って「でもあんな可愛い時代もあったんだし」と懐古モードというか、「あの頃は良かった」みたいな話をしていた。

一方の私はと言うと、正直言って小学生時代に良い思い出が1個も無い。当時、母はかなり病弱で、年に1回は心肺停止で倒れており、「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」「お姉ちゃんなんだから弟の面倒をみなさい」というような、長女ならありがちな嫌な要求を両親から押し付けられていた。
私は子供らしく親に甘えることを許されず、そのストレスが学校生活に現れて、かなりの問題児として知られていた。そのせいで病弱な母が何度も学校に呼び出され、またそれをネタに「お母さんを困らせるな」と父から叱られるという悪循環に陥っていた。

母が弟の幼少期の思い出を延々と楽しそうに語るのを見て、私は逆に幼少期の不愉快な思い出を一気に思い出し、どんどん不機嫌になっていった。堪らず「弟の尻ぬぐいをしていたのは誰だと思っているんだ。弟はすぐ泣いて、それを聞いた母は『eriko、弟を泣かさないの! 仲良くしなさい! お姉ちゃんなんだから譲ってあげなさい!』とか言ってたの誰だよ」的な愚痴を言った。
すると母は「まただ。また怒られた。そういうの良くないよ。お母さん、傷付く~」とまた被害者ぶるので、腹が立って「あなたの教育、子育てが失敗したせいじゃないですか?」と言ってやった。事実だと思う。

もうね、母と話をしていると、私が嫌な気分になるような話題をピンポイントで選ぶことが本当に多くて、こっちはしばらく我慢しているのに、それでも止まらなくて、もう我慢しきれなくて「いい加減にしろ」とビシッと言うと、「なんで私のことを悪く言うの?」と被害者ぶる。
あぁ~こんなだから近所のおばちゃん連中から嫌われてたんだろうな、とすぐ分かる。

ほんと、独り暮らししたい。