『萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母』読了

萩尾望都に興味の無い人にとっては、「なんじゃそりゃ」的な本をようやく読み終えた。初版が2010年なので、8年も前の本になる。

この本は、萩尾作品が好きで、あの世界観が好きで、画風が好きで、とにかく萩尾先生の作品なら何でも読みたい!という人に向けられて作られたのだろう。私は、個人的には好きじゃない萩尾作品もあるので、熱狂的なファンでは無いのだけど、それでも、この本を買って良かったと思う。

萩尾作品には、鬱屈した親子関係が良く出てくるが、うちもそういう家庭だったため、自己投影をしながら読んでいた節がある。
なぜ萩尾先生が、ああいった親子関係をテーマに選ぶことが多いのかな、と思っていたら、ご自身も家庭に問題を抱えた、と言ったら大袈裟かもしれないけど、まぁそういうのを抱えていて、特にお母様と色々あったみたいで、多くは語られていなかったけど、察するものがあるなぁという感じであった。
だから、親子関係に問題を抱えている人は、萩尾作品で鬱憤を晴らすのも手じゃないかな、と思う。特に母子関係については、テレビドラマにもなった『イグアナの娘』が突出している、と言われている。が、私には引っかからなかったんだよなぁ、あれ。なんでだろ?

肝心の中身だが、色んな人が萩尾先生にインタビューしたり、語ったり、という、なんというか内輪受けを狙ったような本です。だから、ファン以外には受けない。値段も結構するので、これだったらまず古本屋で萩尾作品を買って読んで、ファンになれそうかどうか判断してからでも遅くないと思う。
私個人は、高校生の時に同級生から勧められて読んだ『ポーの一族』や『トーマの心臓』でハマりました。ライトな男性同性愛が描かれているので、人は選ぶと思う。ちなみに、同じように勧められて読んだ、竹宮恵子の『風と木の詩』は暴力性が強すぎて、最後まで読めなかった。でも、同性の性的暴行を描いた、萩尾望都の『残酷な神が支配する』は読めた。だから、何が読めて何が読めないかは、実際に読んでみないと分からないんだよなぁ。

2件のコメント

  1. こんばんは!昨日はアメブロの方、訪問頂いてコメントをありがとうございました。
    さて、この本を中古でさっそく購入させていただきました。萩尾望都さんの作品は大体好きなんです(とくにSFが)「残酷な神が支配する」は途中までしか無理でしたけど、BLは別に抵抗ありません。それでは初コメ失礼いたしました~。

    1. こんばんは! こちらこそ、拙宅へいらっしゃいまして、どうもありがとうございます。
      萩尾先生のファンだったとは、全然気が付きませんでした。男性にも萩尾ファンが結構いらっしゃるんですよね。嬉しいです。男性はSFから入る方が多いのかな? 以前は「11人いる!」から入った、という方がいらっしゃいました。

      私はブログの通り、BLから入ったんですが、しばらくして「百億の昼千億の夜」を読んで、ものすごい衝撃を受けましたね。1回読んだだけでは、何を言ってるのか全然分からなくて。原作も読みたいと思いながら、読まずに何十年も経っちゃいました。あとは「スター・レッド」「銀の三角」あたりも好きですね。
      「残酷な神」は弟に読まれちゃて、「姉ちゃん、きもい」って言われました……。yoruさんもそんな感じだったのでしょうか。結構暴力描写多いですしね……。

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