『「覚せい剤中毒より治療が困難」普通の人を薬物依存に陥らせる”あるクスリ”』を読んで

プレジデント・オンラインの記事から。依存症治療で有名なあの松本俊彦医師による、『「覚せい剤中毒より治療が困難」普通の人を薬物依存に陥らせる”あるクスリ”』を読んで。

松本先生ですら5分診療になってしまうこともある、というのは少し驚きだった。どんな患者も丁寧に診ていると思っていたから。
でも、確かに全員を丁寧に診ていたら、本当に長時間かけて診たい患者に時間を割くことが出来なくなる。そういう意味では、仕方が無いのかもしれないなぁ。

そして肝心のベンゾ依存についてだが。
先日も書いたと思うが、私が通っているクリニックでは、今の主治医も前の主治医も、頑としてベンゾを出してくれなかった。それにはこういう裏があるのだと知ることが出来て、本当に良かった。

とはいえ、私はすでにベンゾを飲んでいる。商品名サイレース、一般名フルニトラゼパムだ。
軽く調べてみると、量を増やす方向には依存性は無いが、使用の依存度が結構高いみたいで、辞めようとすると不眠が再発するなど、面倒なことになりやすいようだ。
実際問題、「今日は凄く眠いから、サイレースを飲まずに寝てみよう」と思って、飲まずに寝た事があるのだけど、寝付くことは出来ても持続が出来なかった。1時間おきに起きてしまうのだ。その時は仕方なく頓服のリスパダールを飲んでしのいだ記憶があるけど、まぁそれ以来、サイレース無しで寝ようとは思わなくなった。

さて、要するに私の場合、ベンゾは「苦痛の緩和」ではなく「不眠の解消」を目的に飲んでいるので、松本先生の記事については完全に理解することはできないのだが、言っていることはなんとなく分かる。
苦痛の緩和のために依存を作る、ということは、覚せい剤やなんかの違法薬物と何が違うのかな、と思ったりもする。

前にも書いたかもしれないが、私が通っているクリニックでも、受付で「診察はしてくれなくていい、薬だけでも処方してほしい」と訴える一見の患者(とも言いたくない)を何人か見たことがある。あれは恐らくベンゾ依存だったんだろうな、と思う。
あそこまでいくと世も末だな、というか、憐れだなぁという気持ちだ。完全に薬に振り回されている人生だよね。それだけは勘弁だわ。