『精神科病院に40年入院した男性が国を提訴』を読んで

Yahoo!JAPANの記事だが、『「子を持つことも夢だった」精神科病院に40年、男性が国提訴…社会からの隔絶体験語る』というものがあった。
ここで登場している原告の伊藤時男さんは、今まで私が2回ほどこのブログで取り上げてきた方だった。『バリバラ「バリバラジャーナル 見え始めた精神医療の実態」』と『ETV特集「長すぎた入院」』なので、ご興味がおありの方はどうぞ。

それにしても、遂にこういう方が現れたなぁと、とても感慨深い。いや、今更感が強いか。今まで問題になってこなかったことのほうが、おかしいのだ。
主治医から、主治医が最初の病院に就職した当時の話をチラッと聞いたことがあるけど、主治医が生まれる前から入院しているような患者がゴロゴロいたらしい。主治医は今50代なので、50年以上入院していた、ということだ。本当に気が遠くなる。

この記事の中で出てきた「施設症」というのが、私みたいな入院歴の無いものにも分かる概念で、恐ろしいと思った。
というのも、私は私で「福祉症」というものがあると思っているからだ。地域活動支援センターへ4~5年かな、通って、嫌悪感を感じ始めたのは、なにも問題職員とトラブルになったことだけが原因なのではなく、「福祉症」の利用者があまりにも多いと感じたことも、原因の1つなのだった。
福祉症というのは私の造語で、福祉にどっぷり浸かって、福祉職員にチヤホヤ優しく扱ってもらって、健常者より優遇してもらうのが当たり前、といった考えを持っていたり、あるいは健常者は敵で、障害者とは共存できない、といった偏った考えから、事務やボランティアの健常者にまで悪態をつくような人のことを指している。
いずれも、精神障害者として狭い世界で生きていると陥りやすい症状だと思うが、施設症はより深刻だなぁと思った。

あとは、私個人としては男女関係のことはあまり良いとは思っていない。
事実、精神障害者はやっぱり脳に障害があるんですよ。相手に迷惑をかけるかもしれないし、逆にこちらが被るかもしれない。そういうゴタゴタはもうたくさんなんだよ。懲り懲りです。

そんな感じで、この裁判はとても興味がある。今後の続報に期待だ。