ハートネットTV「身体拘束のない国へ~ニュージーランドからの報告~」

2017年に、興奮状態により身体拘束されたニュージーランド人をめぐる問題についての話だった。
被害者の父親が出てきて、「体は健康だった。ただ、精神的に錯乱していただけ」と言ったが、それを日本では「精神病」という病気にカテゴライズするのだよ、と思った。恐らく、母国のニュージーランドでも精神病に相当すると思う。
なんか、この時点で「この事件は日本を叩きたいだけの人たちが大ごとにしているんじゃないか?」と思ってしまった。

被害に遭ったケリーさんは、子供たちに英語を教える教師として来日したそうだけど、精神疾患を抱えたまま来てしまったらしい。やっぱりこの時点で、普通じゃないと思う。精神疾患の持病があって、日本でどういった治療が受けられるのか、下調べもせずに来日してしまったケリーさんにも、落ち度があるのではないか。
持病があるのに、母国を離れて働きに行こうと思うもんかね? 行った先の国で、母国と同じ医療が受けられると思うのかね? 私は悪いけど、思わないね。たとえばアメリカだったら、些細な病気でも莫大な治療費を請求されると知られているから、旅行くらいなら行っても良い。でも、私みたいに精神科以外にも複数の診療科にかかっている人は、アメリカには住まないほうが良いと断言する。

身体拘束は良くない。それは確かにそうだろう。でも、実際問題、精神疾患の症状の最中、激昂しているような人に対して、落ち着くように言葉で諭しても通じないことは絶対にあると思う。
私自身、若くて精神状態が非常に悪かったころ、野球部だった弟の木製バットを家の中で振り回し、親父に殴りかかった。親父はゴルフクラブで応戦した。家庭内は無茶苦茶だった。この頃の記憶はあまり無いし、思い出したくも無い。
もしこの時、救急隊員が来て「落ち着いて」などと言ってきても、多分通じなかったと思う。だって、当時通っていたメンクリですら、看護師2名で私をガッシリ羽交い絞めにして、鎮静剤を打っていたのだから。
それを知っているから、症状によっては身体拘束もやむを得ない、と私は思う。

ケリーさんがニュージーランドで受けた治療というのは、うつ状態の時だったようだ。それに反し、日本では躁状態の時。そりゃ受ける治療や処置に違いが出ても仕方がないだろう。
それをあたかも「日本の治療は野蛮で、世界標準から外れている」と決めてかかるのは、いかがなものか?

父親自身が、日本で息子が「危険なほど支離滅裂で、制御不能な状態」になったと言ってるのに、どういう治療をしてもらえると思ったのか? 優しく寄り添ってもらえるとでも思ったのか? 日本の精神科医療は、残念ながらそういうものでは無いんだよ。
それは改善すべきことだと、いろいろな精神科医療の関係者が言っているけど、たった1人の患者のために、何人もの医療スタッフを割り当てられるほど、日本の精神科医療は充実していない。これが現実だ。
病院に到着したときは暴れていなくても、何かちょっとした刺激で興奮することも十分あるのが、この精神疾患というやつなのだから、私は病院の判断は間違っていなかったと思う。医療スタッフに被害が出てからでは遅いんだよ。

こういうことを書くと、精神病者の人権は~って言いだす人がいるだろうけど、じゃあ健常者の人権はどうなんだ、って話。心神喪失の人が犯罪を犯しても無罪になることからも分かるように、精神病者が医療スタッフに暴力をふるっても、医療スタッフは泣き寝入りだ。それで医療スタッフが離職したら、誰が責任を取るのか?

そこで、ケリーさんがニュージーランドに住んでいた頃入院していた病院へ、杏林大学の長谷川利夫教授が行くわけなんだけども、この長谷川教授が曲者で。精神科医じゃないどころか、医者ですらない。ただの保健学の博士。所有資格は、作業療法士。これで精神科医療の専門家と言われても……。
と考えると、この番組は「身体拘束反対」が言いたくて作ったとしか思えないんだよね。いや、誰でも彼でも身体拘束せよ、とは思いませんよ。でも、申し訳ないけど必要な人もいると思う。番組では「ディエスカレーション」という技法が紹介されていたが、統合失調症的に支離滅裂な興奮状態にある人を、言葉だけで落ち着かせるのは不可能だと思う。

イタリアもそうだけど、人口の少ない国で精神科医療を開放する方向にもっていくのは、そんなに難しいことでは無いのだろう。しかし、人口規模が1億人を超えている日本でそれをやるのは危険だと思う。
番組内で「ピリポノ」という施設が出てきたが、看護師が12時間労働している。働きすぎだろう。いいの? それ以外にもスタッフが何人もいて、この施設を運営するのに一体いくらかかるのか?といった感じだ。

特にこれはマズイと思ったのが、幻聴が聞こえる患者に対して、「どんな声が聞こえるの?」等、幻聴について詳しく聞いて、ほじくり返すことだ。これは確か、今の標準医療ではやってはいけないことだったはず。
ただ「べてるの家」は「幻聴さん」とか言って、幻聴や幻覚、妄想をほじくり返す作業所をやっている。でもあれは向谷地さんがいるから出来るようなもので、ただのピア・スタッフが1人でやっていいこととは思えない。
この女性は「ギャングも扱ってきた。女には出来ないと言われたけどね」とドヤ顔で言っていたが、「それ言いたいだけちゃうんかい」って感じだった。海外にも居るんだなぁ、こういう人。

そして、この番組を見ていてずっと不思議に思っていたのは、肝心の精神科医が1人も出てこなかったこと。何故? 精神科医療に関する話題なのに、どうして精神科医を出さないのだろう?

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