最近の樺沢紫苑氏の動画について

最近、樺沢紫苑氏の動画を見ていて、「それはちょっとどうなのかな?」と思うことが増えた。
1つには、樺沢氏が臨床から離れて、「もう患者は診ていない」と言ったこと(どの動画だったか忘れたが、確か言っていたと思う)が関係しているかもしれない。
もう1つには、樺沢氏の言う「メンタル疾患」が、ほとんど「うつ病、うつ状態、不眠症、自律神経失調症」等々の比較的軽い精神疾患(精神病ではない)を指していることもあると思う。

樺沢氏は、常日頃から「メンタル疾患を治すには、睡眠・運動・朝散歩」と連呼しているけど、その睡眠が「精神病の症状により」うまく取れない患者がいることを、分かってらっしゃるのかなぁ? 分かっているけど、人口が少ないから無視しても良いとお考えなのだろうか? そこすら押して、「起きれないのは起きないから」とか人を煙に巻いた言い方をすることが多々あるのも気になる。
統合失調症の患者などは抗精神病薬を飲んでいるが、それは抗うつ剤などと違って鎮静効果が高く、1日中ぐったりしたり、起き上がれなかったりすることがある。そういう人にまで「朝きちんと起きろ」と言うのは、非常に酷な気がする。

運動や朝散歩に関しても同様で、私の場合は1日外出すると、翌日外に出かけられない、風呂に入れない、顔が洗えない、歯が磨けない、着替えが出来ない等々、日常生活に支障が出るレベルで疲れ果ててしまう。こういう生活が、精神科で治療を始めて以来、8年近く、ずっと続いている。改善される様子もない。
この状態で「運動しろ」「散歩しろ」と言われても無理だ。しかし樺沢氏は「無理だと思うから無理になる」的なことを言うので、最近なんか動画を見るたびに「お前はできない奴だ」「怠け者だ」と責められているような気がして、苦しくなってきた。

だいぶ前から樺沢氏は、ライトな精神疾患(古典的な精神病ではなく、いわゆるメンタル疾患)やビジネスでの考え方などにちからを入れているようで、私のようなガチの精神病患者は扱っていないのかもしれない。
ビジネスしてないけど、ビジネスでの考え方や、心理学的アプローチ、認知行動療法的アプローチなどは、なるほど参考になることも多いが、メンタル疾患については、ちょっともうついていけないな、というのが正直なところだ。