こころの元気+ 2023年1月号『私にできること』

新年一発目の1月号の特集は「私にできること」。1月号は感想文が長くなりすぎたので、2つに分けています。
しかも、2月過ぎて1月号の感想という体たらく。とほほ。

アンケートで、「病気になる前はできたのに、なってからしばらくできなかったことは何?」という問で1番になっていたのが「目標や希望を持つ」だった。
私は今でこそかなりの目的志向人間だけど、今のメンクリで統合失調症と診断されて少なくとも5年くらいは、何も希望が持てなかった。
B型作業所というものに通い始めて数年経っても、まったく希望は見いだせなかった。むしろ自尊心を大きく傷つけられ、「こんな非人道的な扱いを受けるなら、もう福祉には頼らない人生を送るしかない」とまで思っていた。

しかし、3カ所目のB型作業所兼生活訓練でPCデータ入力の作業をさせてもらったことが転機になった。それまでの作業所以上の工賃を貰えて、初めて自尊心が少し回復した。
そして今、普通のバイト並みの工賃を貰えて、非常に満足している。作業内容も、いわゆる作業というより本当に仕事と言って差し支えないような内容で、できたときの達成感が大きい。自尊心はかなり満たされている。

ここで初めて「私にもできることがあるんだ」と実感した。
やっぱり人生カネだよね。工賃というか給料というか、そういうのがしっかり貰えないと満足できないし、充実感も無い。時給100円200円で、どうやって生活しろっていうんだよ。いまどき小学生ですらそれ以上のお小遣い貰ってるよ。

あとは、「家族や支援者などのあなたへの関わり方」という問。病気に対する無理解からくるものがとても大きいように思う。
例えば母だと、父が退職して年金生活になった途端、急に「うちにはお金が無い」と念仏のように唱えだし、私に「早く働いて自立しろ」というプレッシャーを与え始めた。
こちらだってそうしたいけど出来ない現実がある。「自立したい」なんて、そんなの私が一番思っている。なのに「カネ、カネ、カネ」と連呼する母は、本当にストレスだった。

最初の作業所も職員がひどく、「他の利用者さんはみんな〇〇している、erikoさんだけ『できない』は通用しないよ」みたいなことを言う職員がいた。障害の程度なんて人それぞれだし、能力も人それぞれ。当時まだ症状が重くて治療がうまくいっていない時期だったから、本当にショックだった。福祉の職員がこんな無理解で理不尽なこと言うんだ、と驚いたし、つらかった。

一方、当時の主治医は私が「やってみたい」と言ったことはまず反対しなかった。作業所へ通うこともそうだし、研究協力なんかもそう。遠方にある親の実家への帰省も、私は体力的に自信が無かったし、向こうで精神的な調子を崩したときにどうしたらいいのか不安だったけど、そういうのも全部「なんとかなるでしょ」という楽観的なアドバイスで送り出してくれた。
結果、どれもなんとかなっている。作業所に関しては、最初の所は正直失敗だったけど、それが無ければ作業所という所自体に行かず、自宅で悶々としていたかもしれない。だから、すべて必要だったと、今は思える。

「自己肯定感の回復」では、これも私が現在進行形で取り組んでいることだな、と思った。
もともと自己肯定感がとても低くて、そのせいで周囲から疎まれたりしたことがあるので、今はなるべく気にしないようにはしているけど、やはり元が元なので、とっさの時に自己肯定感の低さが出てしまう。
今回の特集では、自己肯定感を上げる方法が4つ提示されてあって、これからはちょっと気にしてみようかな、と思った。