ハートネットTV 精神障害者と働く 第2回「共に働くことは”強み”になる」

精神障害者、知的障害者を何人も雇っている工場の取り組みを、精神障害者の就労を支援している方が話をまとめていたが、仕事上のミスが起きた時、障害者に責任があると考えるのではなく、職場の仕組みに問題があるからだと考えるのは、とても勇気のいることだと思った。普通の企業だったら、個人の職務で発生したミスは、個人の責任になる。大きなミスなら解雇もありえるだろう。でも、この工場ではそう考えなかった。今時、なんでもかんでも労働者の責任にする企業が多いけど、こういう企業は成長するんじゃないかと思う。
もう1つ、障害者が苦手な所を探すのではなく、反対に得意な所を探して、それに合った仕事をやらせる、と言う話だったが、これは民間企業ではどこでもやっていることだろうに、何故障害者になると「あなたは何が出来ないんですか?」となってしまうのだろう? 不思議だ。

そのあと、障害者などの団体に投資している人が紹介された。これは少し興味があった。私は放送大学でいわゆる産業工学っぽいことを学んだので、障害者が起業したり、あるいは雇われたりして、どこまで自立できる収入を得られるか、とても気になるし、またNPO法人のような団体で、障害者がどれくらい収益を上げられる事業ができるのか、といったことにも興味がある。
このおじさんが「ダイバーシティ(多様性)」という言葉を引用していた。この単語は、民間企業でもやたらと使われている単語のように思う。特に最近言われるのは、LGBTへの理解をすることが組織の多様性に繋がる、ということで、同性のカップルにも配偶者手当を出したりする企業が、よく新聞に載っている。
LGBTへの理解でも言われることだが、障害者雇用も、理解を深めて対応を増やしていくことが、きれいごとではなく、儲けに繋がるのだ、という認識が、もっと増えればいいなぁ、というのが、このおじさんの主張であったと思うが、私もまったく同感で、障害者が働きやすい職場というのは、どんな人、健常者や高齢者であっても働きやすい職場になると思うのだ。

後半、鹿児島にある就労継続支援A型事業所の話が出てきた。なんと、出版業を営んでいるらしい。出版不況なのに大丈夫なのか?と思ったが、主にメンタル関係の書籍を出版しているようだった。これはなかなか面白いと思った。
精神障害者に出来る仕事は単純作業しか無いように思われがちだが、出版といったクリエイティブな仕事も出来るんだぞ、と言わんばかりの利用者たちは、とても輝いて見えた。
しかし彼らも、このA型事業所に来るまでは、色々苦悩の日々を送ったようだ。社会から隔絶されている感じ。社会の役に立っていない感じ。それは私も日々思う。たった週1日の作業所勤務で、何になると言うのだろう? それでも、いつか社会復帰できるかもしれない、と思って、なんとか頑張っている。
アナウンサーが「働くことは生き甲斐や自尊心に繋がる」と言っていたが、まったくその通りだと思う。誰だって、「お前は何の役にも立たない、誰の役にも立っていない」と言われたら、絶望するだろう。働くことで、少しでも社会の一員になれたのだ、と感じるだけでも、寂寥感からは逃れられるのではないかと思う。