朝日新聞に『精神障害者、雇いやすくする特例措置 厚労省、来春から』という記事が上がっていた。ぱっと見は良いように見えるが、よくよく読んでみると……。
『雇用開始から3年以内か、精神障害者保健福祉手帳を取得して3年以内の人』という変な条件があり、そのうえ『5年間の時限措置』であるというのだ。これで何が精神障害者の雇用を促進するというのだろう? 厚労省は本気で精神障害者の自立を支援しようとしていないよね? ただの「やってます、配慮しました」のポーズじゃん。ホント腹立つわ。
まずね。雇用開始から3年以内ということは、3年で契約を切られる可能性があるということ。ここら辺は派遣と同じだよね。次に、精神障碍者保健福祉手帳を取得して3年以内の人。こーれがホント、精神障害者のことをまるで理解していない、って分かる。手帳を取得して3年以内って、統合失調症だったらまだまだ急性期、消耗期で、とてもじゃないが企業で働ける状態ではない。うつ病でも「様子を見て」って感じだと思う。一体、精神障害者のどういう層を狙ってこの特例措置を決めたのか、理解しかねる。
そして、最後の悲しい一言。5年間の時限措置。5年後はそういう特例措置をしません、ってことでしょ? 5年の間にフルタイムで働けるように回復・寛解させろってか? だから、そう簡単に回復できないから、精神障害者手帳が発行されてるんだっつうのに、何を考えているのかなぁ、厚労省は。
しかし、文末にある『精神障害者は短時間労働でないと仕事が長続きしない人が少なくない』のくだりは、その通りなんだよなぁとも思った。長続きしない、という表現があまりにも印象が悪いので、他の表現に変えてもらいたいけど。薬の副作用で疲労しやすく、集中力が持続しないなどの後遺症があるため、長時間労働は向いていない、等々。
まぁホント、こういうのを『特例措置』として時限法でやってるうちは、この国の障害者福祉・障害者労働条件は良くならないな、と思った。この国では、あくまでも「毎日フルタイムで働くことだけが正しい労働」なんだね。1日4時間、週2日の労働は、価値が無いんですかね?