ハートネットTV WEB連動企画”チエノバ”▽精神科病院の”身体拘束”を考える

7日に放送されたEテレの『ハートネットTV WEB連動企画”チエノバ”▽精神科病院の”身体拘束”を考える』を録画していたので、見た。
Twitterでも事前にWebへの投稿を募集していて、いくつか読んでいたが、本当に嫌な思い、つらい思いをした人が多くて、驚いた。冷静に考えれば、身体拘束は必要だった、と言っている人も中にはいたが、少数派だった。

私自身は精神科への入院経験が無く、当然ながら身体拘束もされたことが無い。だから、どんなものかはあまりよく分からない。YouTubeで見たり、それこそこのハートネットTVやバリバラ、あるいは夕方のニュース番組の特集で見たことくらいしか無い。
見ただけの感想では、やはり急性期には身体拘束もやむを得ないのではないか、と思っていた。特に、支援センターで躁状態が酷くなり、大声を出した人と同じ空間に居合わせた時に、「誰か早くこいつを救急車に乗せて入院させて!」と思った。この時の「入院させて!」は「身体拘束させて!」とほぼ同義だ。
この考えは、番組を見ていても変わらなかった。精神科医の斎藤環さんが、「拘束しなくても治療できる、オープンダイアローグという手法がある」とおっしゃってて、これは斎藤環さんのTwitter等での発言と変わらないのだけど、私個人では、オープンダイアローグというものをちょっと胡散臭いと思ってる。
精神科医である斎藤さんが、精神科医療の修羅場をくぐり抜けて、それでもなお「オープンダイアローグがいい」と言うのだから、よほど効果があるのかもしれないけど、私が若い頃、症状が炸裂していて暴れたりしていたころに、斎藤さんみたいな医師から「話し合いましょう」と言われても、話し合いにならなかったと思う。むしろ殴っていたと思う。
実際問題、斎藤さんも殴られたことが何度もある、と言っていたけど、それは治療者のほうが「拘束してやるぞ」というような圧力を患者に与えていたからで、患者は悪くない、と主張していたので、驚いてしまった。どこまでお人好しなのだろうか? 精神科の救急外来に来るのは、そんな聞き分けの良い患者だけではないと思う。それこそヤクザが覚せい剤中毒で、暴れまくって来ることもあるだろう。そういうときでも、斎藤さんは同じことを言えるのだろうか?

ただ、そんな私にも唯一、解せないことがあって、「措置入院だからとりあえず拘束しておくか」みたいな、なんというか流れ作業的に拘束されてしまうことがあるのが、それはおかしいな、と思った。
また、拘束の上限時間・日数が無いことにも、違和感というか不満を覚えた。これじゃ患者を暴力で抑え込んでいると言われても仕方がない。でも、どうなんだろうな? 薬物で患者を鎮静化させるのはOKで、物理的な身体拘束はNGなの? なんか、似非人権派みたいな気がする。