理解のある彼くん

あちこちで(そうでもない?)『理解のある彼くん』という言葉を見るので、ちょっと考えてみた。
意味が分からない人は、適当にググってください。

この精神疾患系のカテゴリーの中でも、パートナーがいるのは圧倒的に女性のほうだと思う。精神障害者なのは女性のほうで、彼氏や夫は健常者か同じ精神障害者のことが多い。
だから、この『理解のある彼くん』という言葉を知った時、深く納得したのだった。どれだけ激しい精神症状があろうとも、ろくに仕事もできず、家事すらできない状態であったとしても、女というだけで『理解のある彼くん』がどこからともなく現れて支えてくれる、という現象が、あまりにも多い。

『理解のある彼くん』を得た女性精神障害者のほとんどは、「勝手に現れたんじゃない、自力で探した」と言いたいだろう。でも世の中、自力で探そうにも探せない健常の女性が山ほどいるのだ。
だいぶ前に、うちのブログのコメントで、私が生活訓練で変な男に狙われているかも、と愚痴ったら、「あなたの勘違いでは?」みたいなコメントをつけられた。あたかも「erikoはデブでブサイクで頭も悪くて愛想の無い、市場価値の無いアラフィフの売れ残りキチガイ女」とでも言いたげなコメントだったので、怒りを通り越して滑稽だった。

それはともかく、精神障害という大きなハンデを背負った女性が、いとも簡単に『理解のある彼くん』をゲットするのは、いったいどういうことなのか?
みたいなことを時々考えていたんだが、それが私だけではないことが分かって、ホッとしたりもした。

私としては、『理解のある彼くん』よりも仕事のほうがやりたいし、1人の人とじっくり関係を深めるより、複数の人と一定の距離感を保ちながらほどほどの関係を作るほうが楽しい。
そして、精神障害がある今現在の私にとって、仕事というか社会復帰の練習、社会への適応を頑張ることと、家事を手伝うことで手一杯で、男といちゃこら遊んでる暇は無い。

「社会復帰なんかしなくても、働かなくても、夫がなんでもしてくれるから問題無い。そんな素敵な男性をゲットできない女は憐れ」なんて声も聞こえてきそうだが、まぁそう思われても結構です。私は、家に閉じ込められて家畜のように飼い慣らされている女のほうが憐れだと思う。