福祉慣れしたくない

なんと表現していいのか分からないので、とりあえず『福祉慣れ』と書いておくけど、最近自分がそうなりかけているので、怖いなぁと思いつつ書いてみる。

『福祉慣れ』とは、障害者向けの福祉サービスに慣れきって、退行している状態を意味している。あくまで私の勝手な定義だけど。結構いると思うんだよね。どうだろうか?
たとえば、私が見てきたB型作業所3か所とも、職員のことを「先生」と呼ぶ利用者がいた。さすがに「お母さん」はいなかったけど、その「先生」には、私が絵画教室で絵の指導者のことを「先生」と呼ぶのとはまったく違った意味合いがあるというのは、伝わるかと思う。

作業中、トイレへ行くことすら挙手をして「先生、トイレへ行って良いですか?」と職員に許可を求める利用者。愕然とするよね。ここどこだよ、って。一瞬学校なのかと思うよね。違うんだよ、障害者福祉施設なんだよ。
他にも、職員から指示されたことを、子供っぽく「ハイ!ハイ!」と返事だけして、言葉での質問や確認をしない利用者。知的障害なのかもしれないけど、なんか最初そういう人を見た時、職員と利用者の間で完全に力関係が決まっちゃってるんだな、と思った。利用者のほうが服従するという意味。

そう、障害者福祉施設では、利用者は職員に服従することを求められている。喧嘩などの暴力沙汰が禁止なのは理解できるが、生き方や考え方まで指図してきて、「職員の考える良い人間」に落とし込もうとしてくることには理解ができない。
でも、福祉職員はそれが「障害者にとって良いこと」だと信じ切っているから質が悪い。そういった時、こちらが反論すると、心底驚いた顔をされる。まるで「障害者の考えは誤っていて、だから障害を負った。こういう場合は福祉の専門家である職員が指導してあげるべき」とでも思っているかのような。

話が逸れたが、まぁそれで私も最近職員のことを母に話す時、うっかり「先生」と言ってしまって、恐ろしいなと思うことが立て続けにあり、「このままではヤバイ」と危機感を持った次第。