朝日新聞be「花屋ローランズ」という障害者雇用

朝日新聞の土曜日の別冊でbeというものがあるんだが、6/25版のトップ記事「フロントランナー」に、「花屋ローランズ」という会社の社長が取り上げられていた。
それだけならフーンで終わるんだけど、ちょっと読んでみたら、ある文章が気になった。従業員の7割が心や体にハンデを持っている――。
更に読み進めると、仕事のストレスで統合失調症になった男性という記述まであった。これはちょっと面白そうだぞ、と思い、改めて記事を読んでみた。

このローランズという会社、正確には一般社団法人ローランズプラスという法人は、なんとA型作業所らしい。リンクから飛んでいただければお分かりになると思うが、時給も1,041円~と健常者の基準とほぼ変わらないように見える。
なによりも、仕事内容(職種)が多岐に渡っていて、「いかにも障害者用の仕事です」って感じでは無いのがいい。

記事によると、従業員の8割が精神障害者だそうだ。しかも、1年後の定着率は9割を超えるとのこと。これは凄いことだと思った。仕事が魅力的なのもあるだろうし、労働環境も良いのだろう。
仕事の組み立て方もすごく配慮されていて、「できないことを頑張ってできるようにする」ではなく、「できることをそのまま伸ばしていく」みたいな感じなのが、いいなぁと思った。

っていうか、全国紙の新聞にA型作業所という施設が取り上げられた、ということが衝撃だった。
朝日新聞では、通常の紙面でも結構先進的な取材がされていたりするけど、A型作業所はちょっと読んだ記憶が無いかなぁ。
すごく画期的な記事だと思った。

1つ引っかかったのは、「働くうえで障害者側に求められる要素は?」との質問に、「配慮して欲しいことを自分から伝えること」だった。これって凄く難しいんだよな……。
前にも書いたような記憶があるけど、自分が働くうえで何を配慮して欲しいのか、よく分かっていないから障害者なのに、ってちょっと思ったりする。
あと、病気の症状に絡む障害特性で、医療者以外に詳しいことを言いたくないとかも、私にはある。配慮はしてほしいけど、何故?と聞かれたら、それは言いたくない、みたいな。それってワガママなのかな……。

目新しい情報としては、「共同雇用」なる制度があることを知った。国家戦略特区(これもよく分かってない)で可能な雇用形態だそうだけど。
難しくて私には説明しきれないので、詳細は個人でお調べいただきたいが、大企業がやっている従来の特例子会社とはまた違う、障害者の雇用の仕方だそうだ。これは面白い制度が出てきたな、という感じ。
今回のケースはA型作業所だから、そこまでガッツリ働けない私には縁が無いんだけど、こういう制度が充実したり、障害者雇用に積極的な企業が増えたらいいな、とは思うね。

それから、ちょっと紛らわしくて理解できなかったのが、共同雇用とA型作業所と障害者雇用の違いについて。紙面ではA型作業所の従業員が共同雇用を利用している中小企業で働いてるのかと思ったけど、なんか違うっぽい? ローランドのWebサイトを見ても、A型作業所と障害者雇用と2種類あるんだよなぁ。
そのあたり、ハッキリさせて欲しかったかな。