こころの元気+ 2023年10月号感想1

2023年10月号は創刊200号記念ということで、初心に返ったようなテーマ「生きづらさをひも解く」が特集だった。
ちょっと量があるので、2回に分けます。

周囲と自分との認識のズレが生きづらさに繋がっている、というような話が載っていて、かなり納得した。
同じ精神障害者同士でも、病気に対する認識、症状に対する認識は結構違っていて、暴れている障害者を見て冷静に対処できる障害者もいれば、引きずられてパニックになる障害者もいる。健常者ならなおさらだと思う。
病気や症状だけを見るのではなく、人間全体を見て欲しいというのは本当にその通りで、だけど私自身、同じ精神障害者に対して全体を見ているか?と聞かれたら、まったく自信が無い。症状の重い人に対しては「面倒だな」と思ってしまう。そこは今後どうにかしていきたいと思っている。

「つらさを分かってほしい」という気持ちが受け入れてもらえないと、生きづらさを感じることはあると思う。
私も今のメンクリで治療を始めて最初の頃は、かなり苦しかった記憶がある。特に母親の理解が無くて、陰性症状で気力が出ないのを「頓服飲め」で片付けられたり、神経過敏になっているのを「はいはい、また始まったよ」とか茶化されたりしたのは、今でも許せない。
私は家族、福祉関係者、絵画教室の先生以外には病気を公表していないから、気軽に病気のことを相談できる人がいないのもつらい。時々このブログで愚痴をぶちまけて、たまにコメントしてもらって、というくらいしか方法が無い。

伊藤順一郎さんという方(精神科医)が、「人を診ないで病を診る」ということを書いていて、思うところがあった。
YouTubeで松崎朝樹さんという精神科医が精神医学のWeb講義チャンネルを開設しているんだけど、この人の動画を見ていると、大学教員なのもあるんだろうが、本当に患者のこと背景まで診てるのかな?と思うことがある。なんか、DSM-5とかの診断基準で機械的に患者を診断してるんじゃないのかなっていう。
精神医学のお話は面白いが、この人に診察してもらいたいか?と聞かれると嫌かな。初診5分、再診5秒で終わりそう。寄り添ってくれる感じが無い。

おんおみおさんの漫画がすごく面白かった。共感したというか。「こんな時はこうする」って決めるの、いいかも。
私個人としては、外出する日に着る服は、だいたいの気温で決めている。10℃でもうヒートテック着る。寒さに弱いので。天気予報で「明日は薄着でも大丈夫ですよ」とか言ってても信じない。気温の体感は個人差があると思うので。

個人の方だと、日中家にいることへの不安を訴えてらっしゃる方がいて、マジでこれ私じゃんと思った。在宅勤務で一歩も家から出ない日が続き、下手すると一週間で1回しか外出しない時もあるなど、本当に引きこもり状態になっている。
意識的に出ようとした時もあったが、会社指定の終業時間まで仕事をすると疲れ果ててしまい、そこから外に出てちょっと周囲を散歩……という気分にはとてもならないし、体力も残っていない。一方、早く終わった時に外出すると、近所の人から「こんな時間に何やってるの?」と思われそうで怖い。
母曰く、近所の人には「家のことはerikoちゃんがいるから安心ね」と言われているらしい。家事手伝いだと思われている模様。それって要は無職じゃん……。まぁいいけど……。

再発が失敗かどうかについては、個人的には失敗だと思う。「失敗ではない」という人もいるとは思うけど、それは綺麗事だろう。実際に再発を経験すると、今までのすべてを失うし、自分も苦しい思いをするし、お金はかかるし、場合によっては人生に空白ができるし、良いことは何も無い。
良いことはある、という人は、再発しなかった場合に得られる良いことと比較していないと思う。医療関係者でも無いのに、精神病や向精神薬について詳しくなっても、何もメリットが無い。もし寛解していたら、働いて得られた金銭、恵まれた生活、心身の健康、充実した人間関係などがあると思う。それと天秤にかけて、再発したほうが良いなんて人、本当にいるのかな?