うっとおしい隣のおばあちゃん

生活訓練の帰りのバスで、うっとおしい隣のおばあちゃんに捕まってしまった。
悪い人ではないのだが、昔からとにかく詮索好き・噂好きで、この人に知られたら翌日には町中に情報が伝わる、と言っても大袈裟ではないくらいの人なのだ。

今日も、バスの中で声をかけられた時に「うわぁ見つかったー」と思ってしまった。面倒な人が来たな、という。
でも最近は寂しいのか(一人暮らし)、自分の話ばかりするので、あまり詮索されなくなって良かったかな、と思っていた。

今日のバスでも、自分のことをやたらと話していたのだが、そこはやはり詮索好き。ちょいちょい詮索を入れてくる。「今日はどこへ行ってきたの?」来たよホラ。どこだって良いだろうが、と思ったけど、そこは無難に「おでかけしてきました」と答える私。

他にはお孫さんの自慢話をこれでもかとしてきたので、「あ~楽だな、聞くだけでいいのか」と思っていた。
うちの話は「家事を手伝ってるんですよ~」とか私が話してて、「偉いわね~親孝行ね~」とか言ってくれるんで、なんか報われた気になっていた。

でも、私がうっかり余計な一言を言ってしまった。「まぁ私なんか子供も産んでないんで、全然親孝行じゃないですよ」と言ってしまったのだ。
すると、隣のおばあちゃんは私の一言を聞き逃さなかった。ニタ~ッと笑いながら「あら~おばさんがいくらでもお相手、探してあげるわよ~!」いらねぇよ。間に合ってるよ。だいたい私もう子供産めない年齢だよ。見た目が若いからって忘れてない?
なんかもう本当にその話で疲れがドッと出てしまい、もう余計な事言わんとこ、と痛感した。

このおばあちゃんはクレクレでも有名で、私が絵を習っていると知ると(それも私は言った覚えが無いのに、どこかから情報を仕入れている)、「なんでもいいから1枚描いてよ」と言ってくる。
確かに私の絵は素人の趣味だけど、いつも私なりに精魂込めて精一杯の努力をして作品を仕上げているわけで、簡単に「くれ」と言われてあげられるものではない。それに、「なんでもいい」ってなんだよ、と思った。いかに娘みたいに年齢が離れている相手でも、頼んで描いてもらうなら相応の頼み方ってもんがあるだろう。

帰宅して、バスの中で起きたことを母に話したら、「あぁ~気を付けな」と言われた。ほんと、私は馬鹿正直で聞かれたことに真面目にホイホイ答える傾向があるから、気を付けないと。