神戸5人殺傷事件の雑感

先日、神戸5人殺傷事件の判決が出て、無罪だったことが世間に衝撃を与えている。私個人も驚いている。
この事件は、犯人が統合失調症で幻聴・妄想に指示されて犯行に及んだ、と報道されていたが、まさにそれが理由で無罪になったようだ。

私は以前から、精神病患者でも罪を犯したら「治療」という名の刑罰が与えられるべきだ、と主張してきたが、今回の事件を少し調べていたら、「心神喪失者等医療観察法」という法律の存在を知った。
この法律の詳細については、厚労省の『心神喪失者等医療観察法』を読んでいただきたいのだが、簡単に言うと、精神病などの心神喪失状態にある者が罪を犯して無罪等になった場合、この法律に基づいて精神病の治療が行われる、というものだ。
私はこんな法律があるなんて全然知らなかった。心神喪失状態で凶悪な犯罪を行った者を、無罪だからといって無条件で解放することは、さすがに無いんだなぁ。それくらい国も考えてるわって話だった。

また、精神鑑定についてだが、これはあくまで私の持論で、法で決まっているとかいう話では無いので、突っ込まないで欲しいけど、精神病患者が精神異常状態で罪を犯した場合、捕まったら普通はすぐに興奮を抑えるような薬を投与されるだろう。でないと、取り調べもままならないから。
となると、捕まって投薬された直後から、犯人の精神状態はどんどん落ち着いて行くことになる。順調にいけば、だけど。すると、1回目の精神鑑定と、時間が経った2回目の精神鑑定では、絶対に違う内容になると思うんだよね。個人的には、1回目のほうが信憑性が高いと思う。
この事件では、1回目の精神鑑定を重視したらしいが、個人的にもそれが妥当なんじゃないかと思った。

こういった事件は、遺族の方は本当にやりきれない思いでいっぱいだろうし、痛ましいと思う。
一方で、世間の精神病に対する無理解・差別的感情を解消し、もっと早期に精神病であることに気が付き、治療を始めていれば、こんな事件は起こらなかったのではないか?とも思う。
マスコミには、精神病患者が引き起こす凶悪犯罪を安易に報道することをもうやめて欲しい。

2件のコメント

  1. 私は非定型精神病(正式名称ではないので統合失調感情障害)ですが、発症すると2週間くらい意識がまばらになります。なのでその間何をしでかすか分かりません。約10年治療を続けていますが、初発を入れて3回入院しています(内2回は医療保護入院です)。危険な行為をするタイプではないらしいのですが、意識がないので絶対危害を加えない自信はありません。犯人を擁護するわけではありませんが、自分自身に置き換えた時に、ERIKOさんほど事件を未然に防ぐ手立てについて、はっきりとした意見がありません。ただ、無罪になりたいが為に精神障害を装っていたとしたら許せませんし、偏見に繋がると思います。長文失礼しました。

    1. 精神病患者にとって、自分が事件を起こすかどうかは、多分誰も自信が無いと思います。
      だからこそ薬をきちんと飲んで、場合によっては入院して、治療を続けることが大事なのではないでしょうか?

      無罪になりたくて精神病患者のフリをするのは、精神科医から見ると結構簡単にバレるらしいです。1回では分からなくても、何回か面談すれば分かるそうです。
      でもまぁ精神病を都合のいいように使うのは、本物の患者からしてみれば本当にいい迷惑ですよね。詐病に対する処罰があっても良いように思いました。

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